続・父親のこと

六年くらい前にこんなエントリを書いた。

最近はどうなったかというと、母親より連絡をとっている。むしろ母親と連絡を取ることがなくなり、父親と連絡をとることが増えた。

きっかけはなにかというと、コロナの状況になり、家族全員に連絡をとったのがはじまり。ばーちゃんとおばさんに始まり、遠いところでくらす弟、父方のおじさん。

最後父親が残ったけど、普通に連絡した。そして普通に出た。「元気?」「元気だ」とのやりとりから始まった。歳とって丸くなってるのかな、と思った。

その後は普通にいろんな話をした。実家のこと、仕事のこと、お互いの近況。父親はバイクを買ったらしい。昔は僕が小さいころ乗ってたけど、そのとき売ってしまって本当は乗りたかったのか。コロナは大丈夫なのか。

「俺来年70なんだよな。志村けんの一個下なんだよな」

そうか、もうそんな歳なのか。と思った。コロナにかかったら割と危険な年齢になっているのか。そしてこの人の仕事は機材かついであちこち遠出する仕事なので、無関係じゃないのかもしれないなあ。

実家は8月末で取り壊されるらしく、父親は身軽にしてアパートに引っ越すらしい。その時に「なにかお前のものはいっぱいとってあるけど、送るのはある?」と聞いてきた。

写真をもらったけど、懐かしいものばっかりだった。とりあえずいくつか指定して、住所を伝えて送ってもらった。

本当はバイクで釣り行ったりしたいらしい。まあでも年齢も年齢だから車輪のついたもの運転しないほうがいいとは思うんだが。あの年にしては割と元気な方だし体も動かしてるからいいのかな。

なんてことを話してたら、以前のエントリに書いた父親のネガティブなことが割とどうでもよくなった。というか、自分のなかで割り切りがついたのかもしれない。ちょっと遠いところにいる親友みたいな感覚で話すことができるくらいには落ち着いた。ただ酔っぱらったときのやらかしや不倫したりお金周りでなんだりしたので他の家族で父親のことを許せない人はいるし、母親とかは特にそうだろう。でも僕は実家がなくなる以外実害を受けた人間ではないし、実家のことも事前に連絡があって、大事なものは送りたいってことを言ってもらえているので、あまり根にもってることはない。

だから他の家族みたいに、父親を恨み切る気持ちがもてない。小さい頃の辛い思いでもあるが、実際は父親とは楽しい思い出のほうがはるかに多いからかな。

今回のやり取りで僕は今は父親のことを普通に父親だと普通におもえるようになったのだと思う。長かった。

父親が荷物を送る時にアルバムをどっさり送ってきた。僕が小さい時家族で遊びにいったりしたときのアルバム。実家がなくなるので、僕に持っていてほしい、とのことだった。これはどっかにハイキングにいったときの小さい頃の僕と父親の写真。

あとはむかし父親に無理にいって買ってもらった分厚いジュールベルヌの本やゲーム、作ってないプラモや保存してあった壊れかけたプラモ(直した)とか。あえていうなら封神演技全巻送って欲しかったけどまあいいや。

僕のものは近所の倉庫に仕事道具と一緒に保管してくれていると言ってくれたので、今度里帰りしたときにでももってこよう。父親の家が広ければ泊めてもらってすこし長くお話をしてこようとも思う。多分それでいろいろ落ち着きそうな気はしてる。

ただし、今回他の荷物と一緒に僕がわかりし頃に買ったエロゲー一式を送りつけてきたことは一生許さない。嫁に見られて大爆笑されたぜこのやろう。