in 140文字で入らない呟き

イケている人たちと自分の距離感つらい

フリーランスになって解消された問題なので、ただの愚痴もしくはぼやきです。

「一体でなければならない」という強制というのか。仲間意識というのか。

おそらくはベンチャーいくつかにずっと歩いていたから感じるようになったのだけど、会社が外に「自分たちはイケている」とアピールしだしてからが居場所がなくなっていってとてもつらい。本当はそこを技術職のリーダーみたいな人が守ってくれるとよいのだけど、いないか、自分がそういう立場だったりして、とてもしんどい時期があった。

Facebookでよくみる、つながりがある人の「高校生のときの同級生の結婚式でー」というような過去のリアルが今につながっているお話。とか。とてもみていて、自分には今に繋がる過去がなくて、それが自分が出す”イケてない”感じ、自分が出せない”イケてる”感じにつながっているのだろうと思う。過去に感じたポジティブが、今のポジティブに活かせてない。今のポジティブはあくまでここ数年で作り出したもの、僕が31年( 2015年現在)の人生最後の5年間ぐらいで作り出したものばかりで、周囲のように大学の時のサークルの話、高校生の時の恋人の話、新卒で社会人になった時の同期の話もない。

そういうのを経験した人間としていない人間では、仕事以外で距離があるとはおもう。人間関係が疎かそうでないかの趣味にばっちしわかれるから。

そんなこと仕事では関係ないって思ってたんですよね。社会人になったばっかりのとき、深夜にサーバ障害対応してからふとmix開くと、同級生が大学サークルの連中とオールしているのを写真であげてて思いっきり舌打ちした経験とかあるけど、まあ関係ねえぞと。

ただしばらくしてベンチャー企業で働き始めると、そういう空気ってどっかから関係しだすんだなあと思い始めました。

僕が務めたベンチャー企業はどっかのタイミングで、「自分たちはイケてる」というアピールをする。もちろんそうしなければ自分たちのプロダクトはイケているということにプラス、可能性としてお金をだしてくれるひとはいるかもしれないし、対外的に大事なことだとは理解している。でも。

社員だったとき、イケてない自分が社内でハブかれ始めたなーって感じたのは絶対気のせいじゃないと思う。

そういう空気を出すのが必要なのはわかっていても出せない人間って一定数いて、僕は会社にいったら現実ばっかりみていた気がする。自分がいる会社がイケているかどうかなんて正直わからなくて、いつも湧き上がる問題と、技術的に最適化するにはっていうのをいつも考えてた気がする。でも、そういう中の問題に対応する人間に対して、外の問題に対応する人たちはとても冷たい。悲しいくらいに冷たい。口では感謝しているとか言っていても、いなくてもやっていける代えが効くと思われてるんだろーなーとすごく思う。

正社員としてやっていく場合とてもつらいのが、自分は「代えが効く」上に「収入を100%その会社に依存している」。さらに「会社は自分が体を壊しても助けてくれない」という事実だ。これがしんどい。

イケてる空気をきちんと経験した人間が上手だなあ、と思うのは問題があったとしても問題に対して見て見ぬ振りをできること、だと思う。そういうことが重要なフェーズはベンチャーには確かにあって、だからああいった人間は好まれるのだと思う。

だけど重い問題、見逃せない問題が目の前にあるのに、それを見て見ぬ振りをされるのは、技術者として僕はつらい。運用でカバーという言葉を持ち出されても納得できない。だからハブかれるんだろーなーと思う。社内の空気に水を差すようなことを言ってしまうし、イケている人たちは危機感を持っていても、その危機感を一切顔に出さずに仕事できる。あれはえらいなーと思う。そしてうちの会社はイケている!というアピールを空気のようにできる。

僕は危機感を感じてしまうと、とてもイケてるアピールができない。

距離感、空くよね。そりゃ。CTOにも、向いていない。経営者という柄ではない。多分いいものつくってなんか繁盛してんぞあの会社何て名前っていうよくわからない会社が僕がやってましたみたいなオチはあるかもしれないけど。

正社員でやっていくには、僕が会社に対して思う気持ちっていうのは、とても会社という組織は受け止められないんだと思う。それ以上に会社という組織は一社員の気持ちを受け止めるほどのことを考えて雇ってくれるわけではないしね。その辺りは割り切りなのだろうけど。

気持ちをいれることはいいと思うけど、僕のようにイケてない人間が会社という組織で正社員として「すべてコミットする」のは無理なのだと思う。

 

フリーランスになってその辺りの辛さとか、切なさとかは全部消えた。基本一人でやってるし、接するのが会社から人に変わったからだ。人には感謝すればいいし、気持ちが伝わる。一つの仕事が終わっても、その人とのつながりは続く。自分がイケてない人間だったとしても、人間として認めてもらえれば、友人としてやっていける。相手が友人なら気持ちをちゃんと伝えれば、わかってもらえる。

会社として僕の技術にお金が払えないか、払えるかの話だけに限ってしまったので自分がイケている会社の一部になれないことを嘆く必要がなくなった。それはとても、楽なことだった。自分は自分でいていいのだ、と思えるのって、すごくいい。毎日会社行くたびに感じていた否定されている感覚がない。

もしかしたら将来自分の気持ちをわかってくれる会社がでてきたら、再び正社員でコミットはするかもしれない。

でももうこの歳で、正社員になってもイケてる空気を出せない人間にお金だすかなあ……ていう感じはあるし、もうすぐ再婚して家族持つわけだし、しばらくフリーランスでいいや。